謎をもっと増やすお話

  「どうした、卓郎。 何かあったのか?」
「大したことじゃナイって。ただ……」
「ただ?」
「姉ちゃんに……恵那に死ねばいいって言われた」
「エナに? そりゃ、……キツイな。好きな女に言われるなんざ、尚更だ」
「ナ、ナツカワ?」
「好きなんだろ、エナのこと」
「な、んなわけナイじゃん。第一、僕と恵那は、」
「血の繋がりは一切ない」
「……なんだ、知ってたんだ。でもなー、ダメだね。恵那は僕のことはタダの弟としかみてない」
「おいおい、弱気になってると誰かにかっさらわれるぞ」
「その言葉、ナツカワにそのまま返すよ。ナツカワだって、恵那のこと、好きなくせに。もっと自分のことも考えなよね」
「まあなー。でも、エナには俺は見えないらしい。天使ってのも不便な生き物だな。仕事ん時以外は、普通の人間には見えねェなんて」
「あ、僕に見えるだけじゃ不満なの?」
「ったりめーだ、アホ。何が悲しゅーて、野郎2人で語ってなきゃなんねェんだよ。俺は帰るぞ!!」
「僕は……もう少しココにいるよ。頭、冷やす」

To Be Continued……

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